一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会

長い冬も豊かで快適に過ごせる寒冷地の住まい

▲自然豊かな岩手山のふもとに建つI邸。風景に溶け込むように、外装は落ち着いた色調が選択され、切妻屋根の和モダンスタイルに仕上げられた。


「岩手にとっての最適」を追求してツーバイフォーに


 夫妻とお子さん2人が暮らすI邸は岩手山のふもとの町に建てられました。毎年11月上旬には初雪が舞い、雪の終りは4月中旬と冬の長い地域です。
 寒冷地においては、建物という「器」そのものの性能が家族の健康や生活のゆとりに大きく影響するため、新居には高気密性・高断熱性が備えられ、耐震性や耐久性など基本性能に優れるツーバイフォー工法が採用されました。
 この家で数回、冬を経験したIさん家族。「憧れだった吹抜けは寒くないか不安でしたが、今ではそう思っていたことすら忘れました」「子供はすぐ布団をはいでしまいますが、風邪をひかないかという心配は無用になりました」と、夫妻は新居の気密・断熱性がもたらす住み心地について語ります。また、耐震性については、「震度4の地震でも揺れは小さく感じます。ニュース速報を聞きながら、『そんなに揺れた?』と言い合って安心しています」と、感想を述べられました。
 夫妻が望まれたインテリアイメージはアジアン・アンティーク、そして和が醸し出す雰囲気。内装には木材が多用され、落ち着いたカラーコーディネートやライティングにより、温もりのある趣に仕上がりました。


▲リビング内に階段室を取り込み、1.5階に多目的に使えるフリースペースを配置した。東側には和室、西側にはダイニングキッチンが一体的につながり、開放感と高断熱性が両立する住まいになっている。和室は引込み戸を閉めて個室としても使える。

 
アイランドキッチンにダイニングテーブルを横付けして一体化させている。キッチンの床は20㎝下がっているので、奥様がキッチンに立つとき、椅子に腰かける子供たちと目線がそろう。   ▲白木を使い、大きな地窓を配置した明るい和室。小上がりになっているが、天井が低く感じられないように照明を埋め込み式にしている。掘りごたつは真冬の特等席になる。

 
▲床を20cm下げてキッチンカウンターとダイニングテーブルを同レベルの高さに設計。食品庫(右写真)は野菜や果物を保存できるように非暖房区画(冬場約10℃)となっている。。

▲洗面室やファミリークローゼットを取り込んだ吹抜けのユーティリティ。吹抜け部分が階段室や2階ホールとつながっている。家事作業に邪魔にならないように、化粧梁を活用し、洗濯物干しユニットが設置されている。

 
▲メイン玄関脇にファミリーエントランスが配置され、家族の靴だけでなく、コートや雪かき、スキー用具などの収納スペースが設けられている。「子供たちが靴を片付ける習慣が身に付いたので、玄関はいつもきちんと整っています」と奥様。

▲1.5階にある吹抜けのフリースペースは1階のリビング(左手)、ユーティリティ(右手)、2階ホールとつながるオープン空間だが囲まれ感があり、ほどよく独立した場所になっている。
装飾として壁や天井に柱・梁を縦横に入れ、一部のクロスを変えてアクセントウォールとしている。壁にはアンティーク調のブラケット照明が設置されている。

 
▲階段室を活用した1.5階のフリースペース。手すり壁に透明ガラスが用いられ明るく開放的な空間になっている。   ▲フリースペース下の半地下収納。4.5畳と広く、生活空間の近くにあるため、古新聞・雑誌などの一次収納や掃除用具、防災グッズ置き場としても便利なスペース。


子育ての拠点として家族のつながりや家事に配慮した設計


 夫妻が新築を決意されたのは、お子さんの小学校入学前に子育ての拠点を築きたいという思いからです。つねに子供を見守ることができる間取り、家事がしやすい空間づくりと合理的な動線、使いやすさを考えた集中収納と分散収納の組み合わせなど、さまざまな要望が盛り込まれてスキップフロアのある家が完成しました。子育てというライフステージに最適なプランが生み出されたのです。
 建物はツーバイフォーの構造ルールを活かして、縦に3ブロックが並んだ構成とし、真ん中の区画の北側半分が吹抜けになっています。その吹抜けのあるフリースペースとユーティリティが設計の要となる部分です。
 フリースペースは1.5階にあり、オープンにつくられているため、平面的にも立体的にも空間がつながり、家じゅうで家族の気配を感じることができます。この階段室の下に4.5畳の使いやすい半地下収納があります。
 家事動線の一部であるユーティリティはファミリークローゼットの要素を持ち合わせ、洗濯→物干し→アイロン掛け→収納が一ヵ所で完結する利便性に優れた家事空間です。脱衣室に隣接し、玄関にも近く、ダイニングキッチンやリビングとつながる回遊動線で、家事がスムーズに進む経路が形成されています。

2階

 
▲和モダンテイストの主寝室。北側に憩いのスペースが設けられ、傾斜天井に合わせて、寝室にも低めの家具が置かれている。   ▲下屋の小屋裏空間を利用したご主人の書斎。先端の三角スペースまで活用して天窓が設置されている。。

  ◀成長に合わせて、収納家具で仕切ったり、壁を設置して
2室に個室化できる子供室。

 

スタッフからのメッセージ


(株)ハウスM21
専務取締役
チーフデザイナー
木村 之彦さん

「豊かで快適な暮らしをつくる」ことの本質を追求し、オンリーワンの住まいをご提案

 当社が目指す家づくりは、「豊かで快適な暮らしをつくる」こと。「豊か」とは「面白い、楽しい、満足、安心、余裕、ゆとり」によって、「快適」とは「省エネ、高耐震、高耐久、高性能、デザイン」によって生まれ、「暮らし」とは「現在、将来」へと持続することを含んでいます。
 ツーバイフォー住宅は、きちんと設計、施工をすれば1階・2階の開口の位置はそろい、おのずとデザインの良い外観になる、そして1階・2階がそろった「通し耐力壁」により地震に強い造りをさらに強化することができる、そんな品質の高いツーバイフォー工法を採用しています。
 「全棟フルオーダー住宅」なので、当社にはプラン集がありません。お客様へのプランヒアリングをていねいに行い、同じデザインはひとつとない「オンリーワン」の住まいをご提案します。小屋裏収納やロフト、半地下収納など、躯体の使えるスペースをすべて使いこなし、平面に加え縦の変化を取り入れることで、「面白い、楽しい」と感じてもらえる空間設計を心掛けています。


DATA
敷地面積/189.50m2(57.32坪)
1F床面積/92.46m2(27.97坪)
2F床面積/50.51m2(15.28坪)
延床面積/142.97m2(43.25坪)
設計・施工/(株)ハウスM21