一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会

新居のコンセプトは「つながり」漫画家T様のお住まい

▲北側のファサード。暖色系とクリーム色のカラーコーディネーション、アプローチやエントランスとガレージに施されたアーチ型のデザイン、前庭の植栽などにより、瀟洒で優しい雰囲気が醸し出されている。「塀を造らないで、前庭をきれいに整えるというまちづくりのコンセプトも気に入って、この分譲地を移住先に決めたんです(Tさん)」


▲「樹木や鉢植えの花がこんなに元気に育ちました。春になると緑は日々萌えて鮮やかに庭を彩ってくれます(妹さん)」


 
▲緩やかなカーブを描く階段アプローチ。両側の花木を楽しみながら玄関へ。反対側にはスロープの上り口がある。   ▲屋根がつけられたウッドデッキ。雨の日でも利用することができるので、愛犬たちも大好きな空間である。「お客さまが見えたとき、庭からここに来ていただいてお茶をすることもあります(妹さん)」


住性能・室内環境・空間デザイン……ツーバイフォーの利点を活かした、開放的なひとつながりの住まい


▲T様、妹様ご夫妻と愛犬。

  今回は、漫画家 Tさんの新居を訪ねました。ここはTさんと妹さん夫妻が移住を考え「田舎探しを始めよう」と行動を開始し、天然温泉付き分譲地と出会って建てたツーバイフォーのお住まいです。「家づくりは6度目ですが、3棟目からはずっとツーバイフォーを選びました。ツーバイフォーの家は、何度か遭遇した大きな地震や大型台風の時も安心していられました。それに、断熱性が高いので真夏や真冬でも心地よく、外出から戻ると幸せな気持ちになります」と、ご家族はレベルの高い住性能や室内環境に満足されています。
 そして今回の住まいには、ツーバイフォー工法が生み出す開放的な空間デザインを採用。「大きな吹抜けのリビングが実現し、ひとつながりの家になりました。吹抜けに面する2階の室内窓をいつも開けてあるので、別室に居ながら話ができるんです」と妹さん。Tさんは「以前はアシスタントがたくさんいたので居住空間が細かく分かれていて不便だったんです。オープンな中2階の書斎コーナーは、マネージャーでもある妹のスペースで、私はここを司令塔と呼んでいるの。その下に、家族の一員であるワンコたちの部屋があるのよ」と、愛犬を膝に乗せて話します。


「大きな吹抜けのリビング  ──家族をつなげ、自然と共生する家です」

▲新居のコンセプトは「つながり」。大きな吹抜けのリビングを中心に周りにダイニングや玄関、2階の個室が配置され、ひとつながりのオープンプランになっている。リビングは、大工さん手作業のアンティーク加工の意匠梁により大空間のダイナミックさが強調されている。

 
▲リビングは家族の憩いの場。「週末に勤務先の京都から戻ると愛犬2頭の大歓迎に遭う。どんなに疲れていても大丈夫! ワンコに甘えられるとアルファー波が全開する(Tさん)」

 
▲家族の一員である愛犬の部屋は中2階の書斎コーナー下に設けられた。   ▲ドッグルームの床は石張りで、アイアンゲートが設置されている。

▲吹抜けのリビングには天井のすぐ下まで三連の窓が配置され、四季折々の眺めをあますことなく取り込むことができ、自然と共生する暮らしが楽しめる。

 
▲リビングと手前のダイニングとはアーチ型の開口でつながっている。閉じるというのではなく開くという意図で、なだらかなカーブを描くアーチになっている。「掛け軸の書『和を以て貴しと為す』は亡くなった母が書いたもの。今の私たちへの言葉だと思います(妹さん)」   ▲リビングやダイニングには窓から取り込まれる里山の風情に呼応するように観葉植物や鉢花が飾られている。意匠梁には室内の演出効果を高めるスポットライトが設置されている。

   
主寝室に設けられた妹さんのご主人の書斎。切妻屋根形状を反映した勾配天井が心地よさを創出。正面の漆喰塗り壁はアクセントカラーにピンクベージュ色を採用。   ▲南側の明るいキッチン。黒や茶の濃色でコーディネートし居室の趣に。「作業性・収納力に優れるL型カウンターにしました(妹さん)」   ▲玄関正面にアンティーク家具を置き装飾スペースに。暮らしを楽しまれている住まい手の心持ちが伝わる。左手のリビングとオープンにつながり、さらに回遊プランが組み合わされている。

心に温めていた新居のイメージを姉妹で練り上げ図面化した

 「漫画家は広く興味を持つことが役に立つ職業。敷地図を前に二人でやってみよう」と、姉妹によって新居の基本プランは作成されました。家づくりの構想を妹さんが平面図に落とし込み、Tさんが立面を起こす。この作業が何十回も繰り返され練り上げられていったのです。
 「建設地は、地域社会と気軽な関係を築けるエリアにあります。ここには人生を楽しむ趣味人が全国から集まり、思い思いの暮らしを構築しています。何よりも、山々が連なり田園風景が広がる豊かな自然が気に入りました」と妹さん。
 お二人が考え、実現した住まいは、“その地に建てる”ことの意味を極めるものでした。自然に包まれる魅力を活かすかたちが見いだされ、光や風が家の中を巡るオープン&回遊プランがつくられました。「私は自然好きで、以前、同業の漫画家から“風を感じる絵を描くね”と言われました」とTさん。
 また、自然素材の漆喰塗り壁や、無垢材の造作家具が設えられ、お二人の感性を映し出すインテリアデザインでまとめられました。


▲妹さんが平面図を作り、Tさんが立面図を起こしたり、パースを描いた。「最初に階段室の書斎から設計を始めリビングを吹抜けにして…とプランを決めていきました(妹さん)」

 

T様邸の家づくりに携わって

外断熱漆喰による 快適な住環境をご提案しました
 モデルハウスにご来場いただいたのは、2012年の暑い夏の頃でした。漆喰塗り壁の空気感や外断熱の温熱環境をご体感いただきました。そのあと、プランの依頼を承り、T先生が描かれたイメージをもとに、「どこから見ても素敵な家」をデザインしました。
 以前のお住まいと新居の建設地は遠距離なので、家の模型を製作したり、工事期間中は現場の写真をお送りするなど、メールを中心に打ち合わせを行いました。現場の仕事ぶりにお喜びのメールをいただき、職人たちと歓喜を分かち合ったことを思い出します。「家が暖かいので、スリッパ生活は止めました」とのお話を聞き、弊社の家造りにご満足いただいていることを大変うれしく思います。
 弊社のテーマである「命を守る家」とは、地震に強いツーバイフォー、快適な温熱環境を生む外断熱工法、空気がきれいな室内環境を生むオール漆喰塗り壁を施したものです。家を造る職人たちの技術と認識がなければ実現しないと、弊社は考えます。それに取り組む大工と左官の腕を見込んで、弊社を選んでいただいたお客様のために、一棟一棟心を尽くして家造りを行っています。
 「命を守る家」に、快適に末永くお住まいいただきたく思います。T先生ご家族様の益々のご活躍をお祈りいたします。

㈱智建ホーム 主任 鷹尾ひとみ


DATA
竣 工/2013年
敷地面積/589.21m2(178.24坪)
延床面積/246.70m2(74.63坪)
設計・施工/(株)智建ホーム