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わが家はツーバーフォー

わが家はツーバイフォー

豊かな経験と英知が息づく建築家が自ら設計した自邸

写真:外観

▲生まれ変わった新居の外観は、スパニッシュテイスト。日差しに映える明るい色彩の外壁は塗り壁コテ仕上げ

写真:(旧)外観
▲旧邸も菊池氏の設計によるツーバイフォー住宅。写真は新築時のもので、その後3階建に改築されていた

写真:音楽室で談笑するご夫妻
▲音楽室で談笑するご夫妻

今回ご紹介するのは、当協会の会員会社・(株)新精神の代表取締役である菊池清氏の自邸である。設計は菊池氏、施工は同じく協会会員会社として長くコンビを組んできた(株)海老原建設が手掛けた。また、今回の掲載写真の撮影も菊池氏の旧友であり、建築写真家として名高い村角創一氏が買って出た。

「どちらも信頼の置ける良き友人ですが、長いつきあいと言えば、ツーバイフォー工法とのつきあいもオープン化前からですから相当長い(笑)初めからよい工法だと実感していましたから、昭和50年に新築した以前の家も、迷わずツーバイフォー工法で建てました」

旧邸は当初、延床面積32坪、4LDKの2階建であったが、結婚、子どもの誕生など暮らしの変化に伴って2度にわたり大規模な改築を行い、最終的には総面積45坪・6LDKの3階建となっていた。耐久性の高いツーバイフォーゆえ、まだ十分に快適に住める状態ではあったが、敷地内に車を駐車するスペースがないことと、ピアノ教室を開いている奥さまが2台目のグランドピアノを譲り受けることになって音楽室のスペースが不足することから、改築では対応がままならず、建て替えるに至ったという。

「母と私の二人暮らしから始まって、結婚して子どもが二人生まれ、成長していく過程の家と、これから住む家とは自ずと設計のポリシーが異なります。今回は夫婦の暮らしを中心に考え、高齢化を見据えて将来のエレベーターの設置も考慮した設計としています」

 

写真:トイレ 写真:玄関
▲トイレの仕上げは各階で異なり、1階は大理石仕上げ ▲玄関ホール。右側のドアが音楽室に続く
写真:音楽室
▲音楽室。二重壁とペアガラスの木製サッシで外への音の漏れを防止

暮らしやすさを主眼に専門家ならではの工夫を加え新たな試みにもチャレンジ

以前は2階にあった音楽室は、生徒さんが行き来しやすい1階の玄関脇に配置。廊下をはさんで東側にはガレージをビルトイン。2階・3階は階段室を中心にぐるりと回れる回遊動線が採用され、通路を兼ねてご夫妻それぞれの書斎を設けた合理的な間取りが目を引く。敷地のグランドレベルは道路より45pほど高いが、ガレージ部分は道路のレベルに合わせたため、ガレージの天井部分にスペースができ、そこを収納に活用するなど、空間の有効活用はさすがにお手のもの。食品庫内部のつくり、書棚の棚割りといった細かな設定にも専門家ならではの知恵が息づいている。

また、構造的には一般のツーバイフォー工法ながら、屋根に断熱性を高める「熱シャット工法」を採用したり、外壁を空気層をもつ特殊な構造にしたり、実験的な試みも盛り込まれている。さらに、旧邸の室内建具やベイウインドウを再利用するなど、合理的な考え方も実践された菊池氏。

「いろいろなことにチャレンジした家づくりでしたが、そこから得たものを今後の設計に活かしていきたい」と語ってくださった。

*通常の野地合板の上に、さらに遮熱シートを敷き詰めた通気層を設け、外気を軒先から取り入れ、棟部から熱気を排出することにより、屋根裏の温度の上昇を抑える工法。
写真:2階リビング
▲2階/2階リビングの一角はタタミコーナー。
  室内外の壁はすべてフランス製の塗り壁コテ仕上げだが、タタミコーナーは色を変え、独特の雰囲気を醸成
写真:キッチン 写真:2階ダイニング
▲2階/キッチンはアイランドタイプ。機能性を重視して家電製品のサイズに合わせて棚を設定。家事の効率化を図るため洗濯機もここに ▲2階/2階の南側に面するダイニングは日当たりのよい一等地。リビングと同様ムク材のフローリングがぬくもりを感じさせる
写真:3階の菊池氏の寝室 写真:リビングとダイニングを結ぶ通路
▲3階/3階の菊池氏の寝室。奥さまの寝室とは奥さまの書斎を兼ねる通路で結ばれている ▲3階/リビングとダイニングを結ぶ通路に菊池氏の書斎を配置。家族のパソコンコーナーにもなっている
写真:奥さまの書斎は3階 写真:階段室
▲3階/奥さまの書斎は3階。通路も兼ねるが、両方の引き戸を閉じれば個室になり、趣味に没頭できる ▲3階/3階ホールより階段室を見る。室内はどこも北欧風のナチュラルなイメージでまとめられている

 

DATA
敷地面積/117.29m2(35.48坪)
建築面積/68.48m2(20.71坪)
1階床面積/65.77m2(19.89坪)
2階床面積/66.00m2(19.96坪)
3階床面積/65.77m2(19.89坪)
延床面積/197.54m2(59.75坪)
施工/株式会社海老原建設
設計/株式会社新精神
株式会社海老原建設 URL:http://www.ebihara.co.jp/
株式会社新精神 URL:http://www.shinseishin.jimdo.com

 

(一社)日本ツーバイフォー建築協会会報誌「ツーバイフォー」転載記事

 

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