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わが家はツーバーフォー

わが家はツーバイフォー

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設計の始まりは十数年先の豊かな生活を想像することから


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▲自然のままの木立と起伏のある敷地をあるがままに活かして建てられたM様邸。生い茂る緑に抱かれた外観は、古き良き「昭和の洋館」のイメージ。この地域には高い塀はなく、邸内の緑を街全体が共有している

M様邸は、施主ご夫妻と住宅メーカーに所属する建築家、インテリアコーディネーターとが家づくりに対する想いを共有しながら、確かな信頼関係のもとに計画された住まいである。

設計は、ご家族の10年、20年先の暮らしを想像することから始められた。

「オフィスや店舗ならカッコ良さや緊張感が優先されてもいいけれど、住まいには心からくつろぎ、やすらぐためのヒーリング感が必要だと思う。ちょっとレトロなデザインや、できるかぎり自然素材を使うことにこだわるのは、いつまでも変わらない美しさと愛着を想像できるから。時を重ねた後、本物はより味わいを増し、そうでないものは美しさを失うんです」と、建築家は語る。

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▲眺望の良い南東に向けて扇を広げたように外壁が張り出すリビング。床はメープルのムク材。壁はベージュの塗り壁。ふんだんに使われた自然素材の色と間接照明のやわらかさが、くつろぎの空間をあたたかく演出する

こうしたポリシーによって設計されたM様邸は、森に抱かれた別荘のように外観が緑に覆われ、築5年目とは思えない成熟した佇まいを見せている。それは、単に樹木のせいだけではなく、住まいそのものの趣が、どこかなつかしい洋館の雰囲気を漂わせているからではないだろうか。

「建築家にお願いしたことは、何より景観を活かすことと、ゆったりとした豊かな時間を過ごせること。(建築家の言葉の端々から)万年青年のような情熱を感じて、きっとすばらしい家ができると確信しました」と、奥さまはおっしゃる。

 

あるがままの自然を活かし住む人を癒し、楽しませる建築の妙を随所に



▲玄関ホールの南側に続くアトリエ。床にホールと同じテラコッタタイルを敷き詰め、お客さまを靴のまま通せる応接室にもなっている。絵画が趣味の奥さまは、お気に入りの画集に囲まれ、音楽を聴きながら日差しを浴びてここで過ごす午後のひとときがお気に入り

建設地は瀬戸内海に面する都市近郊のの丘陵地。丘を上るにつれ眼下には光る海が広がり、自然のままの起伏と木立を活かした美しい住宅地が見えてくる。M様ご夫妻は、この瀬戸内海から周防灘までもが一望できる絶景に魅せられて、この地に住まいを建てることを決意されたという。

時には30人もの来客も珍しくないM様邸。ここを訪れる人は、すばらしい眺望だけでなく、あらゆるところにさまざまな表情が用意された空間の豊かさに驚くだろう。

たとえば、リゾートホテルのライブラリーのようなアトリエ、長崎のグラバー邸の回廊を彷彿とさせるウッドデッキ、自然のままの起伏や木立を活かした庭と、それに溶け込むアプローチ……。

 


▲自然石仕上げのアプローチ階段を上るとエントランス。外壁タイルは目地詰めのない工法による

加えて建築家は「M様邸では、おもしろい試みをたくさんさせていただきました」という。

「まず、南東へ下る敷地形状の高低差を活かし、見晴らしを楽しむ場所をいくつもつくったこと。また、外壁タイルはこの家のためだけに焼かれた試作第1号で、目地を詰めない工法を用いています。深い軒の裏に貼ったレッドシダーや、光を遊ばせる中庭とアトリエなど、ほぼ手づくりに近い贅沢な仕上げ。たとえば旧○○邸などと呼ばれ、名所になっている洋館のような表情と奥行きが、M様ご夫妻にふさわしいイメージでした。

私が施主に贈りたいのは、真新しい竣工の喜びではなく、暮らすうちにいつの間にか家族を楽しませ、ゆっくりとわが家への愛着を生むような建築の妙。たとえば、明るさよりも影の表情、木漏れ日の豊かさ、ひそみや路地のおもしろさ、座った時の目線の先の風景など、暮らすほどに見えてくる喜びです」

M様邸にもそんな建築の工夫が随所にみられる。とくに、M様にとって特別な場になったのは、ふたつの切妻屋根の間に設けられた2階寝室のバルコニー。ここからは、南に遠く広がる周防灘の向こうに、ふるさと大分県の国東半島が眺められるのである。

多忙な日常の中で心身を癒し、心からやすらげる住まいを求めてこの地を選ばれたM様ご夫妻。その想いは、見事に現実のものとなった。

ツーバイフォー工法による堅牢な建物は、歳月とともに味わいをさらに増し、住むほどにそこに暮らす喜びも深まるに違いない。

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▲エントランスの軒の裏側もレッドシダーを採用。照明に照らし出される夜の表情もまた趣がある   ▲玄関ホールは、天井の半円形のモチーフが特長。テラコッタタイル貼りの土間がアトリエへと続く  
     
   
▲リビングとダイニングの間は、アーチの下がり壁と造り付けの棚でさりげなく区切られている   ▲玄関左手の和室に面する中庭。外壁によってなかば閉じられ、静謐な佇まい  

 

設計・施工/三井ホーム(株)
URL:http://www.mitsuihome.co.jp/

 

(一社)日本ツーバイフォー建築協会会報誌「ツーバイフォー」転載記事

 

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