一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会

パッシブデザインを採用した木造6階建てマンション

バス通りに面する便利な場所に建つ6階建て賃貸マンションの1階南側は店舗。積極的に環境問題対策に取り組んできたバンクーバーの街中には、電気バスへ送電するための電線網が敷設されている。

カナダ最大の省エネ建築「パッシブハウス」がツーバイフォー工法で実現

 バンクーバーの中心部から車で5分のイーストサイドに建つ6階建てのマンション「ザ ハイツ」は、ツーバイフォー工法による木造建築(1階の一部はRC造)です。バス通りに面する南側の1階は店舗で、マンションのエントランスは西側に設けられ、1階に3戸、2階~6階に82戸の賃貸住戸があります。このマンションはカナダ政府認定の「パッシブハウス」で、同国最大の省エネ建築です。2030年までにすべての新築物件をゼロエミッションにすることを目指すバンクーバー市が、新たなモデルケースと捉えているものです。

南面には遮光対策に効果的なルーバーのシェードが窓の上に設置されている。スリムなフォルムではあるが、日照量をしっかりコントロールする。 住戸のエントランスは西側にある。角地のため、ゆったりとしたアプローチ・前庭がつくられている。

2×6材と2×4材の二重壁による高断熱設計がパッシブデザインの要

 エネルギー効率の世界基準を満たしたこのマンションは、適切な断熱設計や窓・換気方法などによって建物の熱損失を最小限に抑えることで、環境負荷を大幅に軽減。そして各住戸のエネルギー料金の低減、真夏・真冬の快適性の向上が可能になるパッシブデザインが採用されています。
 外壁は2×6材の外部断熱壁と2×4材の内部断熱壁の二重壁で高断熱化。二重壁の間は設備配管・配線スペースに使われています。各階の床にはI型ジョイストが使用され、断熱材が入った床システムなので、下の住戸に響く音を低減する遮音効果もあります。
 また、超断熱フレーム・トリプルガラスの認定窓や、熱回収換気システムの空気制御によって、エネルギー効率が格段に高まります。

建設中の6階建て賃貸マンション。壁は35cm厚の二重構造になっている。。
マンションのロビー。西側(左写真の左奥)のエントランスドアから入り、まっすぐ進むとエレベーターホールがある。地階にはトランクルームと駐車場がある。(プラン上ではスロープになっているが、階段に変更されている)
賃貸マンションの住戸。2階~4階は同プランになっている。 (左)4階北西の角の2LDK住戸のキッチン。 (右)南側1LDKの住戸。

 


所在地:カナダ ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市
設 計:コナーストン設計事務所
規 模:地上6階、地下2階(賃貸マンション5,499m2、店舗418m2
竣 工:2017年
Photo&Report:Peter Powles

【無断転載禁止】
本ページ掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

(一社)日本ツーバイフォー建築協会会報誌「ツーバイフォー」転載記事

 過去の記事はこちらから