一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会

永く住み継がれている110年の歴史を刻む住まい

築110年の住まいをリフォーム

▲110年を経て甦ったファサード(東側)

コロニアル・リバイバルの建築様式のこの戸建て住宅は、1905年に、プラットフォーム工法(北米におけるツーバイフォー工法)の前身であるバルーンフレーム工法で建設された、110年の歴史ある住まいです。コロニアル・リバイバル様式は、1900年代の前半に北米でポピュラーになり、現在でもバンクーバー中心市街地に多く見られます。シンプルでエレガントなデザインが特徴で、格調高い趣があります。
1年6カ月をかけたリフォームが終了したのは2014年のこと。延床面積が約723m2という大きな住まいは、新築当時を思い起こさせる風格ある佇まいに甦りました。

外観の重厚な趣は保持し、美しさを甦生する


▲西側にはガーデンテラスが広がる

外装のリフォームは、バルーンフレーム工法が持つ重厚な趣の景観を残すことに重点が置かれ、通りに面したファサードとサイド面はテクスチャーを保持する一部補修と塗替えが行われました。また、ファサードの伝統的なデザイン要素となっている木製窓も、ガラスだけ取り替えられ、オリジナルの窓枠はそのまま使われています。窓枠は丹念に手で外し、心して補修され、品位を感じさせる窓になりました。
建物の後ろ側である西面は、通用口をなくして、キッチンから庭へ出られる両開きのテラス窓を設置しました。石の階段でつないだ2段のガーデンテラスは、歴史ある建物の風合いに馴染むとともに、現代の生活にフィットし、使い勝手の良いバックヤードになったと、建築家は自讃しています。
築110年の住宅のリフォームは、慎重に、綿密に、そして近隣にも配慮しながら行われました。

現代の暮らしに合わせ明るく広いキッチンに

コロニアル・リバイバル様式は、シンメトリーでバランスの取れた設計プランが特徴です。この住宅も玄関や階段室が中央にあり、両側にファミリールームやリビングがあります。
リフォーム前の住まいは110年前に建築した当時のままの状態でした。各空間は、現代の標準寸法より小さく分かれていて、物理的にも視覚的にも良い状態ではありませんでした。部屋の通り抜けができず、使い勝手が悪かったのです。
たとえば、以前のキッチンは、この建物の大きさにしてはとても窮屈なものでした。これを改善するために、家政婦が使用していた建物西側の通用口と階段を撤去し、廊下もなくして、キッチンスペースを拡げました。そして、ガーデンテラスとつながるようにしたため、明るさや眺望も確保でき、気持ちの良い空間に生まれ変わりました。また、地下階と1階をつなぐ階段と2階からロフトに上がる階段は、メイン階段のある中央に移動され、そのスペースは水まわりやクロゼットに当てられました。


▲内装をリニューアルした玄関ホール

▲110年前の木製窓が再生されたリビング

▲スペースが広くなったキッチンと食事コーナー

▲木製窓を補修し、内装を新しくした2階の主寝室

▲くするとともに設備を一新した2階のバスルーム

所在地:カナダ ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市
延床面積:722.79m2
設 計:スチュワート・ホーワード
リフォーム:2014年
Photo&Report:Peter Powles

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(一社)日本ツーバイフォー建築協会会報誌「ツーバイフォー」転載記事